「勇者フルートの冒険」シリーズ10

ご紹介し続けているこのシリーズもとうとう10作目ですね。最新作です。

 勇者フルートの冒険 X ~神の都の戦い~
  http://asakuratosho.sets.ne.jp/tosyo/flute10/flute10-00.htm

 (勇者フルートの冒険 シリーズ全作品の目次
   http://asakuratosho.sets.ne.jp/tosyo/flute-index.htm

           作者:朝倉玲さん

今回の作品はサブタイトルからも想像がつくように、神、宗教に関わりがあります。そういう意味では、これまでの作品よりはやや堅めかもしれません。作者の宗教観も入っていることとは思いますし、宗教の中でもキリスト教に近いでしょうが、あくまでもこれは「勇者フルートの冒険」というフィクションの中での神の話であることは強調しておきましょう。

ミコンという聖地での戦いは、ユリスナイという女神への人々の思いから端を発します。神という存在(実際に存在するものなのかどうかということも含めて)について、様々な人が様々に思いを語るのですが、神そのものよりも、信仰とは何ぞや?と疑問を問いかけられている気が大いにします。神のために身を捧げるとは? 神のために戦うとは? そも、神を信仰するのは何のためなのか? フィクションとはわかっていながらも、私達の身の回りにある宗教を思い起こして考えてしまいます。

純粋に神を求め祈り願う信仰は自然発生的に起こってきたはずですが、人心を集めるのに最も有効な手段が宗教であると時の権力者たちが考え利用してきたことも事実です。この小説を読んでいると、純粋な信仰心を試されるがごとく、結局は利用されていることにも気づかず、命を預けてしまうのはどんなものかと考えさせられるんですね。

というわけで少々堅くはありますが、あらすじそのものはやはり冒険であり、ファンタジーなので、いつもの元気な登場人物たちと、新たな魅力的な登場人物の絡みも楽しめることは請合います。

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