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「プライドと偏見」(Pride and Prejudice)の映画を観て、この原作小説の邦訳と原書をまたひもといてみました。ついでに、同じ作者ジェーン・オースティン(Jane Austen)の他の作品「説得 (説きふせられて)」(Persuasion)も邦訳をペラペラ。 文章の構成としては、面白さとは別に、私は「説得」の方が読みやすいです。「プライドと偏見」の方はオースティンが22歳の頃に書いた作品「First Impressions」を、十数年後に改訂・改題して出版したもので、「説得」の方は晩年の最後に書かれたものであり、一貫して彼女の言う’分別’を重んじて書かれてはいますが、「説得」はオースティンがそれまで描いてきた、人間風刺的な要素は薄らいでいるように思います。コミカルな風刺のない分だけ、落ち着いた物語です。 彼女の生きた時代、1775-1815は、時代的にはフランス革命やナポレオンの台頭と英仏の戦争があり、フランスとは犬猿の仲である英国でも、フランス革命の精神は詩人のバイロンやスコットランド詩人のバーンズらにも影響を(一時的ではあるものの)与えていましたが、オースティンの作品にはそういったことは一切登場しません。ただ、「説得」の中では、’トラファルガー沖で戦った海軍’や手柄をあげた’提督’という言葉が出るのみで、オースティンの作品はあくまで国内の中流階級の、しかも幾つかの家庭との絡みだけに留まっています。それでも、彼女の人間観察とその記述は詳細で、どこか皮肉めいていて、主張も込められていて興味深いのは、現代でも人間というものの本質的な部分ではどこか共感するところがあるからではないでしょうか。時代背景や当時の習慣、階級社会という点においては、日本人の私には推測や想像で補うしかないわけですが。 階級社会というのは、現在のイギリスにも厳然と残っているそうで、階級によって住み分けもあり、また職業にも違いがあるようです。言葉に身分の違いが表れることは、「マイ・フェア・レディ」という映画でも知ってはいましたが、いまだにはっきりとした区別がされているのは何とも不思議な気はします。上流階級とは分け隔てたいというのは、長年の制度のせいでもあるのでしょうか。 小説の方の「プライドと偏見」で、お気づきになった方がいるでしょうか。こういうくだりがあります。 "Oh yes!--They left Brighton together on Sunday night, and were traced almost to London, but not beyond; they are certainly not gone to Scotland." これは、エリザベスが、妹リディアとウィッカムが駆け落ちしたという知らせをダーシーに打ち明けたシーンの言葉です。これの少し前に、エリザベスがもらった手紙の、その知らせの中には、グレトナグリーン(Gretna Green)という言葉が出てきます。知らないと見過ごしがちですが、なぜエリザベス達がスコットランドにやけに不安を覚えるかというのは、次のような背景があるからです。 1753年にハードウィック婚姻法(Lord Hardwicke's Marriage Act)という法律がイギリスで制定されました。それまでは、結婚の意志を言い交わすだけでも有効とされていた簡単な結婚の仕方があり、身分の差を越えて結婚することができたのに対して、上流と庶民の結婚、未成年の秘密婚などを規制したこの法律にとってかわり、それが1940年まで続いていたそうです。 そして、グレトナグリーンというのは、イングランドとの国境に近い、スコットランドの村のことで、イギリスの厳しい婚姻法を逃れて、簡単な婚姻を結べるこの村に駆け落ちしてくるカップルが跡を絶たなかったそうです。 この背景があるから、エリザベス達が「駆け落ち」と聞いて、スコットランドを即座に思い浮かべ、絶望的な思いをしたわけです。スコットランドのグレトナグリーンで結婚を挙げてしまえば、「駆け落ち婚」という階級社会に住む人間にとっては不名誉な事態だったからです。もしリディアが駆け落ち婚をしたら、世間からふしだらと見られ、家族にそういった者がいると知れるだけで、家名に傷が付く、他の姉妹の結婚も難しくなるということですから。 また、このハードウィック婚姻法によって、貴族階級および上流階級は閉鎖的になったわけです。ダーシーのプライドや結婚観は、彼自身のせいではなく、上流社会にいる者なら心得として身についていたものなのでしょう。 |
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映画「プライドと偏見」鑑賞と音楽
「プライドと偏見」、この映画だけは絶対観に行きたいと思って、勇んで映画館へ足を運んできました。 ...続きを見る |
Elinor's Forest 2006/01/22 00:25 |
プライドと偏見
英国の女流文学作家ジェーン・オースティン(Jane Austen)の有名な作品が「プライドと偏見」というタイトルで映画化され、日本では2006年1月14日より、全国で公開されるそうです。 ...続きを見る |
Elinor's Forest 2006/01/22 00:27 |
プライドと偏見
★★★★ 東京はやっと少し暖かくなったようだ。今日に限れば、せめてマフラーがあればコートは不要だったかもしれない。 さてこの映画はアカデミー賞有力候補ということで、ネットの評価もかなり高いようだが、興行成績のほうはイマイチのようである。これは多分タイトル ...続きを見る |
ケントのたそがれ劇場 2006/01/28 21:07 |
「プライドと偏見」ただひとつの恋
「プライドと偏見」★★★★ キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディン主演 ジョー・ライト監督、2005年イギリス ...続きを見る |
soramove 2006/02/09 07:49 |
魅了されちゃいました! 『プライドと偏見』
過去に映画化されたジェーン・オースティン原作の映画(『エマ』や『いつか晴れた日に』)の印象や原作のタイトルの印象から、大して期待せずに観に行ったのですが、すっかり魅了されて帰ってきました。凄くいいですよ! ...続きを見る |
海から始まる!? 2006/02/12 01:17 |
イギリス式結婚狂騒曲 / 岩田託子
18-19世紀にイギリスで流行した駆け落ち結婚と、現代までの影響について。 これはPride & Prejudiceの項目で何を書こうかなとあちこち覗いていた時に見つけたAll Aboutで紹介されていた本で、興味を引かれたのでその場で買い& ...続きを見る |
つんどく覚書 2006/09/23 11:28 |
高慢と偏見
英国作家ジェイン・オースティンの作品「高慢と偏見」&nbsp;Pride and Prejudice大好きな作品です。この作品は何度も映像化されています。最近では「プライドと偏見」で映画化されました。でも私のお気に入りは、やはり、英国BBC制作の「高慢と偏見」です。コリン・ファースがとっても素敵でした。オースティンイングランド東南部ハンプシアの静かな村スティーブントンで牧師家の6男2女の次女として生まれました。20歳頃より小説を書き始めた…。(PAPERBACK GUIDE )高慢と偏見... ...続きを見る |
お気に入りの部屋 2008/10/06 13:05 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
「プライドと偏見」の時代背景 を、 |
hito2km URL 2006/02/18 15:52 |
hito2kmさま、コメントありがとうございます♪ |
Elinor 2006/02/18 23:08 |
はじめまして。今更ながらのトラックバックを送信させていただきまして失礼します。 |
Xm URL 2006/09/23 11:27 |
はじめまして、Xmさん、ようこそ♪ |
Elinor 2006/09/23 11:57 |
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